Scarlatti, Domenico

スカルラッティ

2007年2月25日 バッハへの取組も小品集、小プレリュード、2声のインヴェンション、小フーガと3年が経過。ここでちょっとバロック他流試合として(?)、スカルラッティのピアノソナタを取り上げました。それ誰?(笑)いや、なかなかいいですよ、この方のピアノソナタ。
あまり有名ではないのかもしれませんが、独特のシンコペーションと和声展開がたまらない魅力。あのホロビッツもこよなく愛した作曲家です。JSバッハやヘンデルと同じ1685年生まれ。イタリア育ちで最後はスペインで活躍。作風にはイタリアらしい華麗さと、スペインやポルトガルのエキゾティシズムが感じられます。残されたピアノソナタは560曲近く!この功績により彼は近代鍵盤楽器奏法の父とも称されています。
47曲あるテキストから、唯一(?)有名なK380と、個人的にとてもとても弾きたかったあこがれのK27の2曲を選びました。弾いてみるとバッハとは全く異なる独自のアプローチで作品が書かれていることがよくわかります。作品番号はK(カークパトリック)、L(ロンゴ)など複数あって混乱するのですが、このサイトではKを用いました。
しかし当時はピアノなんかなかったのに、近代ピアノでこそ初めてその真価を発揮するのではないかと思わせる曲の響き・展開は、正にスカルラッティの先見性・独創性でしょうか。バロックは端正に弾くべしという不文律は彼のピアノソナタに関する限りあてはまらないのではと思います。さあ残る559曲もがんば・・・うそうそ。後1曲だけとりあげて、次はバッハのフランス組曲に挑戦します。


 
作品No. 曲名 コメント MP3
K27 Keybord Sonata in B minor スリリングなテーマと、無限に続くかのような官能的なコード進行。いつまでも幻惑され続けたい妖しい気分に襲われます。これ、バロック?本当に本当に弾きたくて長年温めてきたこの曲についに挑戦です。がんがん行け行け疾風怒濤のダンディなミケランジェリ、そんなにメロメロにしていいのかよバロックだぜ甘美系のプレトニョフの両極端の2枚のCD、DVDを持っていますが、どちらかというと後者を参考にしました。 070414録音(2,233k)
K380 Keybord Sonata in E Major スカルラッティは知らなくとも、この曲に聴き覚えがある人は多いはず。簡単に見えたのですが・・・装飾音のところ、指が動きません。 070223録音(2,794k)
お遊びついでにこちらはチェンバロバージョンです。繰り返しなしで。 070218録音(1,386k)